日本信販は、ここ10年で事業の中核を総合あっせん(クレジットカード)に置いて「生活総合提案企業」を標榜してきました。一方、オリコは「金融商社」を目指して企業向け金融事業に傾斜してきたため、日本信販に比べてバブル時代からの決別が遅れる原因となりました。しかし、法人向け融資部門から撤退をはじめ、得意分野である個品割賦、特に自動車ローンに力を注いで業績回復に努めています。05年4月から伊藤忠商事の金融子会社・伊藤忠ファイナンスと提携して、自動車販売店向け「在庫担保ローン」の取り扱いを始めました。オートローンに強いオリコの特徴を生かした戦略で、今後3年以内に1000億円の融資残高を目指すといわれています。信用保証事業では、これまでUCカードに委託していたみずほ銀行が、個人ローンの信用保証全額(約3000億円)をオリコに移管しました。オリコは個品割賦の主力商品であるオートローン事業を強化していく方針ですが、クレジットカード事業(総合あっせん)ではUFJニコスに大きく水をあけられています。「オリコは財務体質を変えるための資産流動化策として、オートローン債権に傾斜しているのではないか」(事情通)との指摘もあり、バランスの取れた事業展開が求められているようです。
債務不履行の問題に関連して、発展途上国の累積債務問題に触れておこう。一九七〇年代に、二度にわたる石油ショックが起きて、OECD主要国の経済成長率の低下が生じ、それに伴って、それらの国の国際金融市場での資金需要が減少した。そのため、南米などの発展途上国は有利な条件で資金を調達できるようになり、多額の資金を借り入れた。しかしこれらの国では、国内投資が十分な利益をあげなかったり、金利が八〇年代の初めに上昇したりしたため、債務を返済できず、返済資金を借り入れに依存せざるを得ず、ますます債務が膨らむという厳しい状態に追い込まれた。この累積債務問題は、その後、世界銀行などの国際金融機関、主要国政府及び民間金融機関の三者が協力して、新規融資を拡大したり、返済を猶予したりすることによって緩和されつつあるが、それは変動相場制の問題ではなく、資金の貸借一般の問題である。すなわち、貸し手の審査能力や貸付先の分散によるリスク管理等が不十分であり、貸し手が見通しを誤ったということである。
収益性の指標の主なものは損益計算書における各利益段階の収益率を算出したものです。売上高に対する売上総利益や営業利益、経常利益での比率を算出することによって、収益力を把握することができます。またコスト構造を知るためには、売上高に対して、売上原価や「販売費及び一般管理費」がどの程度になっているかを見ます。いま銀行ではバブル時の不良債権処理の苦い経験から、企業分析の重点が収益性よりも安全性や債務の償還能力へ移っています。企業の安全性と収益性をみてみると、そこには企業によって様々な事情を垣間見ることが出来ます。たとえば急成長を遂げている企業では、収益性指標は軒並み優れているにもかかわらず安全性指標は概ね低調であったりするわけです。また企業によっては、安全性は高いのに収益性は今ひとつというところもあり、この2つの観点が共に満たされている企業は案外に少ないものです。